不登校と私

このブログは、不登校を経験した筆者が、福祉施設に従事しながら「教育」をテーマに主観を書き綴ったものです。現在、学校に行けなくて困っている方、その保護者の方に読んでいただくことで少しでもお役に立てることを祈っております。

映画紹介「みんなの学校」

f:id:abogadonyanko:20171021220154j:plain

映画「みんなの学校」

大空小学校がめざすのは、「不登校ゼロ」。ここでは、特別支援教育の対象となる障害がある子も、自分の気持ちをうまくコントロールできない子も、みんな同じ教室で学びます。ふつうの公立小学校ですが、開校から6年間、児童と教職員だけでなく、保護者や地域の人もいっしょになって、誰もが通い続けることができる学校を作りあげてきました。

すぐに教室を飛び出してしまう子も、つい友達に暴力をふるってしまう子も、みんなで見守ります。あるとき、「あの子が行くなら大空には行きたくない」と噂される子が入学しました。「じゃあ、そんな子はどこへ行くの? そんな子が安心して来られるのが地域の学校のはず」と木村泰子校長。やがて彼は、この学び舎で居場所をみつけ、春には卒業式を迎えます。いまでは、他の学校へ通えなくなった子が次々と大空小学校に転校してくるようになりました。

 

 大阪市住吉地区にある公立学校を舞台にした映画「みんなの学校」は、「すべての子どもに居場所がある学校を作りたい」という理念のもと、全校児童220名のうち、特別支援の対象となる児童数が30人を超える学校のドキュメンタリーです。

 

さまざまな家庭環境にある子や、過去にいじめに遭い転校を決めやってきた児童がいるなかで、教師があきらめずに児童と向き合う姿が映し出されています。

 

映画の一部を紹介します。

 

校長先生が「ええ学校」について語る場面があり、過去の話を始めます。

 

クラスメイトから「変な子」扱いされ、馴染めずにいた逃げ出し癖のある児童が、いつものごとく教室から逃げ出すと、担当である新人の女性教師が追いかけました。

 

雨で濡れた廊下で女性教師が転び、ドスンという音が校内に響きました。

 

校長も教室の子どもたちも、逃げ出した児童がその隙に逃げきると思ったが、すぐさま逃げ出した児童は女性教師のもとにかけより、お尻をさすります。「痛かったね、痛かったね」と女性教師を心配したのです。

 

教室の子どもたちも、その場に居合わせた校長も、ただただ見守るしかなかったといいます。

 

その日以降、クラスメイトの彼を見る目がガラッと変わり、彼に居場所ができたのだといいます。

 

感想

映画という性質上、児童が抱える大きな問題や困難、トラブルを中心に教師が問題解決に向け奮闘する様子が多かったです。(教師というより校長先生メインでした)

 

実際問題、学校教育が抱える問題は多岐にわたり、児童の抱える問題もそれぞれでしょう。そこに教師が向き合うことこそ、いま学校が求められる最重要課題です。

 

しかし現状は教員の異常な多忙化によって、そのしわ寄せが児童にいくわけです。

児童と関わる時間が減る一方、事務作業ばかりが増えているのです。

 

この現状を理解したうえで今回の映画をみると、校長先生のワンマンというか

実際に教員が子どもと向き合うために行われている努力というか影の部分・工夫が描かれていないので、どうもエンターテインメント重視な印象を受けました。

 

この小学校が特別なんだ!という部分は映画を見るうえで、大きな意味をもち、実際その部分を描くことは重要です。

 

しかし、映画を見終わって「どうやったら、みんなに居場所がある小学校を普遍的に設けることができるだろう」ということを考える材料がなければ、「ええ学校」作りの基盤を学ぶことはできないだろうと思います。

 

ただ素晴らしい学校が大阪にあるんだなという感想で終わってしまう気がしてなりませんでした。

 

公教育は、だれもが受ける権利があるものです。

すべての学校で「不登校ゼロ」を掲げ、子どもを支える教育が行えるためになにが必要なのか。という視点の映画を改めてみたいと思いました。